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Le Miroir des Sports誌
1935年7月25日号
ツール・ド・フランス第16ステージ
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12~13ページです。
12ページ最下から13ページ上
(茶色の文字が解読結果です。)
ポーへのステージ よもやま話
-3- ロマン・マースは叫んだ
リュションをスタートする時、
ツールの事務責任者のリュシアン・キャザリス(※1)は、
ロマン・マースがゼッケンを付けていないのをじっと目で追いかけ、
古風な呼び止め方をした。
「エーラ! 君君!ゼッケンを付け忘れたのか!」
(※1) Lucien Cazalis
こんな堅物で大声で、少しピントのずれたイメージの人物だったようです。
Mon Tour de France 1959 のちょうど真ん中あたりの漫画↓
小柄なロマン・マースは、乗車したまま若鶏のように上体で向きなおり、
着ているマイヨジョーヌを指でつまんで、笑ったような怒ったような表情で答えた。
「そっちからこの黄色いのを着ろと言われたんだが、
こいつにまでナンバーが要るのか?」
-4- キャプテンはなんとか首位を守った。
そのロマン・マースだが、
リュション-ポーのステージで彼がマイヨジョーヌを失わなかったのは、
繰り返すようだが、本当に奇跡としか言いようがない。
ベルギーチームのキャプテンである彼は、
前のステージでのくたくたの状態のままで、このレースに臨んでいたからだ。
昨夜もポーで、それを裏付けるような話を耳にした。
バッテバテのロマン・マースは、
こっそりサポートカーに引っぱってもらっていたらしく、
間の悪いことに、その様子が写真にしっかり撮られていたというのだ。
ほかにも、
年配の観客の頭の上に空のボトルを置こうとして、
誤って彼の眼鏡を壊し、あやうく事故になりかけたらしい。
これはまあファンサービス、シャッターチャンスサービスのつもりだったのだろう
という事で笑い話で済んだが、
車に引っぱってもらった件については、
コミッショナーとしても大袈裟にはしたなかったものの、
写真が撮られてしまった以上放っておくわけにもいかず、
結局、サポートカーにペナルティーが科せられた。
そのサポートカーは、
ジャン・アールツ、シルフェーレ・マース、フェルファッケなど
ロマン・マースと同じフラマン人のための車であり、
ペナルティの内容によっては、さらに自分たちが苦しくなる。
こんな風にロマン・マースが何とか首位にいるのは、
チームメートやスタッフの並々ならぬ支えによるものなのだ。
(※) ペナルティを受けたサポートカーは、こんなクラシックカーなんでしょうね。 |
ーつづくー
この記事は、2016/10/16(日) 午後0:51にYahooブログに掲載した記事に
加筆・修正し再掲載したものです。