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Le Miroir des Sports誌
1935年7月25日号
ツール・ド・フランス第16ステージ
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12~13ページです。
13ページ下段
(茶色の文字が解読結果です。)
ポーへのステージ よもやま話
-6- フランスチームの課題
では、われらフランス勢の課題は何だろうか?
みなもう、やる気が失せているかと心配したが、雰囲気は妙に明るい。
彼らはまだ、スペシェがツールの総合優勝者になるかもしれないと、
希望を捨てていないようにも見える。
しかしそれをやってのけるための、マキャヴェリなみの秘策(※1)が
あるとも思えない。 全く謎だ!
(※1) 裏切りや欺きもいとわないような、
びっくりする戦略という意味ですね。
ルデュック、ル・グレヴェ、モアノー、ヴィエト、フォントネー、アーシャンボー
と同じように、スペシェまでもが皆一様に、こう言っている。
「諦めるのはまだ早いさ。
まだ何が起こるかわからないし、みんなもそれを期待しているんだろ。」
1935年7月2日 第29回ツール・ド・フランス直前号の表紙
フランスナショナルチーム集合写真
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左から、アーシャンボー、(まじめで賢そうなアドバイザー)マーニュ、
(王選手に似た)スペシェ、ルデュック、(クラーク・ケント風の)ドゥベンヌ、
ル・グレヴェ、(男前)ヴィエト、メルヴィエル
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表紙をめくると、各選手の走っている姿が並べられた洒落た誌面 |
フランスチームの戦略は、
怪我で戦線離脱したアントナン・マーニュが受け持っているのだが、
選手たちの様子を見ていると有効な手が打つことができているのか
心配になる。
アーシャンボーは、ツール後に、
l’U.V.F.(※2)から推挙されて、スペシェやル・グレヴェと一緒に、
ブリュッセルで開催されるトラック世界選手権に出場することになっているのだが、
マーニュが特に指導しているはずなのにこんな冗談まで言い出す始末だ。
(※2) l’U.V.F Union Vélocipédique de France
フランス自転車連合 今のFFCの前身です。
「あーついてない。
この大会が終わったら釣りにでも行こうと思っていたのに、
パリまで戻ったらその足で次の大会に出発するんだよ。
ああ忙しい!」
レイモン・ユティエ
(※) レイモン・ユティエは、
自国チームの選手たちが、必ずしもツールに集中できていないことを
嘆いているようです。
ーつづくー
この記事は、2016/12/10(土) 午後7:10にYahooブログに掲載した記事に
加筆・修正し再掲載したものです。